ジャズピアノを弾いてみたいと言い始めた頃に先輩ピアニストからアドバイスがありました。
「これだけは覚えておいて。習う先生は その時によって色々変えていいからね。」
その時は全く意味が分からず、なぜそんな事を言うんだろう? と思っていました。
この後10年位、嫌と言うほど思い知らされることになるのですが。
(ピアノだけなのか私だけなのか分かりませんが・・・)
それくらい その時の自分に合った先生に出会うのは難しいのかもしれません。
「名選手は名監督にあらず」
いや、できれば名選手(自分の好きなプレイヤー)から習いたいのですが “ジャズを教える” ことは難しいみたいなので その時の自分に合った先生に習った方が良いと思いました。
4年位前から女性ピアニストの方に習っています。
(と言っても月に1回、自粛期間中はずっとお休みしていましたが)
女性の先生を探していたのですが、なかなか見つからず忘れていた頃に 偶然食事付きライブで隣に座った女性が先生になりました。
レッスンに向かう途中「今 困っていること」「悩んでいること」を頭の中で何度も考えて整理するようにしています。
到着すると 言葉にして言うようにしています。
最初の頃は 頭の中が混乱でネガティブなことばかり言ってたけれど、アドバイスを聞きながら少しずつ対策できるようになってきました。
何年かやっているうちにまるで「音楽専門の相談役」だなと思うようになりました。
以前習っていた先生のことも時々思い出します。
その頃 私は音楽は仕事の合間にやる趣味の一環で「町の音楽教室」の感覚で楽しければ良いと思っていました。
プロを目指しているわけじゃなければ そう言う感覚の人は ごく普通だと今でも思います。
でも やるからにはきちんと基礎から教えたいと思っていた先生にとっては苦痛なことだったと今になったら思います。
あの時 教えてもらったことやアドバイスは(覚えてる限り)今も役に立っています。
でも あの時の順番で教わると 初心者たちが集まるセッションでは浮いてしまいます。
「そんなセッションに行かなくても良い」と 今は思えるけれど、当時の私からすれば恐怖で、
「なんでもいいから すぐアドリブ弾ける方法教えてよ。」
と 思っていました。
初心者同士のセッションは 先生たちが思ってる以上に残酷です。
メチャクチャな理論の元、派手に沢山格好良く演奏したものが称賛されます。
そこでの乗り越え方を教えた方が良いのか、根気強く説明した方が良いのか・・・私も分かりません。
ほとんどの場合、自分の先生のことを必要以上に美化していると思います。
だって、自分が「この人だ!」と思って習っているのですから先生を否定することは自分を否定することになってしまうからです。
そんなこんなで 最初に先輩ピアニストに言われた「習う先生は その時によって色々変えていいからね」 を理解できるようになりました。
その人によっても違うでしょうし対策方法は分からないのですけどね。
先生のことを美化しすぎず、本当に困っていることを話せる関係。
せっかくの教室が ”先生のファンクラブ” になっていないでしょうか。
ほんの少しでも ヒントになれば幸いです。